×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
平野耕太に悪影響を受けたオタの人が電波話や悪魔トークを繰り広げて萌える人外魔境だよ。
大屋津媛様ハァハァ。
| |
背後の妄想3
相変わらず新宿御苑は鬱蒼とした緑に覆われていた。生臭い異臭は近くから漂ってこないのだけは、唯一の救いだろうか。時折強い風が緑の木々を鳴らして去っていく。その音に、砂嵐が混じった。 「あれあれ、また森に生徒でも迷い込んじゃった? お疲れ様」 暢気そうな声が響く。声の主に向けられる視線は、鋭い。 「ああ。尤も困った事に、そいつは自分の意思で森に迷い込んじゃったんだよ」 内心の感情は押さえつけて、平然とした声色で答える。視線の先、中空に浮いた少年は、かつての面影を残していた。唯一つ、猫にも似た金色の虹彩を除いて。 「だったら放っておけばいいんじゃない? それが、そいつの願いなんでしょう? 目的が何かまでは知らないけどさ」 まるで他人事のように紡がれる言葉に、男は歯噛みする。 「いや……放っておけないな。置けるわけ、無いだろう」 「なんで?」 互いの視線が雑音の下で交錯する。重苦しい沈黙は、砂嵐に掻き流された。 「本当は、お前はそんなことを望んでないからだ、タツミ!」 毅然とした声が森に響く。暫くの後、帰って来たのは嘲笑だった。 「なんでそんなことが解るのさ? 僕は、もっと強くなりたかっただけなんだよ?」 「その強さを、何の為に求めたんだ? 周りの誰かも、お前自身も誤魔化しきれないのはわかってるだろうが……」 まるで説いて聞かせるような言葉は、森の静寂と砂嵐の狭間に消えていく。少年の表情が、憎悪にも似た感情に歪む。 「どれだけ偉そうな事を言っても、力で劣っていちゃ説得力ないよ」 泣き女の悲鳴にも似た甲高い音がそれを裂く。色も持たない、ただ光線の歪みが、少年の体から生えた二本の透明な腕を浮き上がらせる。音という物理現象にもかかわらず視認できるその腕は、触れるだけで人の骨格程度なら粉砕しうる暴力的な圧力を伴っている。だが……男の視線には、怯えも躊躇いも無かった。 「だったら、教えてやる。お前が捨てたものが、どれだけの力を持っているのかを……」 不意に手の内に浮き上がる剣を、確りと握り締める男の表情は、全く変化を見せていなかった。それが、逆に不自然なほどに。対照的に、少年は邪悪な笑みを満面に浮かべる。 「なら……それを見せてよ、約束どおりさ!!」 音の腕が巨木を、草を、空気を、音速で横薙ぎに薙いでいく。 打ち砕いた!! そう思った瞬間、視線の先に何の残骸も残っていないことに気づいて、狼狽したように視線をめぐらせた。 「ああ、見せてやるよ……約束だからな」 声の響く方向、中天へと視線をめぐらせた少年の瞳に移るのは、満月を背に浮かぶ漆黒の翼だった。 なんという負けフラグ。だがそれがいいのですよ!
公女様の奈落落ちはやはりLとしては余りに美味しいので狙っていたのですが、段々とCにそこまでして力的に強くなる理由が無くなったので流してしまいました。が、闇に落ちた自分を誰かに止めてもらうというシチュエーションはやはり燃えるものがあると思っています。 色々とお世話になりっぱなしなので、その分のお礼も返したかったのです。本当は辞める前に「僕に、刻んでよ……決して忘れることが無いようにさ……」なんて甘えてみるのもありかと思っていたんですけどねえorz 成長した折には一緒にドランブイでも手土産に酒を酌み交わしたりもしてみたかったです。 PR コメントを投稿する
この記事のトラックバックURL: <<背後の妄想4 | ブログトップ | 背後の妄想2>> | カレンダー
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
最新記事
(01/03)
(06/01)
(04/13)
(02/14)
(12/21) 最新トラックバック
プロフィール
HN:
the deamon in jintengchensi
性別:
男性
職業:
好事家
趣味:
PBW
自己紹介:
変なゲームを作るのが趣味の人です。
変な方向に広く浅い知識の持ち主だよ。 画像は外の皮。 ブログ内検索
最古記事
カウンター
アクセス解析
|