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平野耕太に悪影響を受けたオタの人が電波話や悪魔トークを繰り広げて萌える人外魔境だよ。
大屋津媛様ハァハァ。
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背後の妄想6
眼前に広がるのは見渡す限りの悪魔の群れだった。一匹一匹は、然程苦戦せずに倒せる相手だとは言え、さすがに倒しても倒してもきりが無い戦いは、やがて青年の体に疲労と傷跡を溜め込んでいく。呼吸の隙を突いて飛び掛ってきた鬼を、正面から唐竹割に斬って落とした。そのまま正眼に日本刀を構える。
「半分ぐらいは流石に仕留めたいよな、お前らぐらいの相手なら」 返り血に染まった口元を吊り上げて、目の前の軍団に向かって高らかに宣言する。その挑発に乗って、再び襲い掛かる悪魔たち。一匹、二匹、三匹、四匹、擦れ違い様に切り捨てる。頭上からもう三匹。瞬時に刀身が描く軌跡をイメージする。刀では間に合わないのが一匹。魔術詠唱に意識を集中させた、その時だった。死を告げるバンシーの啜り泣きが響いた。それとともに、頭上を透明な何かが薙ぎ払う。吹き飛んだ悪魔は、全身の骨を砕かれて絶命していた。 「よお、相棒……未だ生きてるか?」 冗談めかした声は、記憶にあるより少しだけ低い気がした。 「ばっかやろう、今まで何してたんだよ、チンドウ!」 振り返った視線の先には懐かしい面影が確かにあった。こちらの隣に跳躍してきた相手の胸元、拳で殴りつける。 「ごめんごめん、色々あったんだよ、こっちも……ま、でも今日は、僕と君とでダブルウィッチだね」 「ウィッチは魔女だろうが……まあいいけど。俺が半分、お前が半分。二人なら余裕だな」 互いに顔を見合わせて、微笑む。相手が今の自分と同じ程度に力量をあげていることは、一見しただけで判った。 「オーケー、取り合えずさっさと片付けて、酒でも飲みながら思い出話に花を咲かせるとしますか」 二人の表情には、不安も心配も無かった。そう、最早、一人じゃない。背中を預けて戦う事が出来る戦友がいれば、どんな敵にだって負けるはずが無いということを二人とも知っていたからだ。 PR
背後の妄想5
暗雲立ち込める。正にその表現がぴったりの空だった。今にも雨を降らせそうな曇天が、太陽を遮りはじめてからどれだけが過ぎただろうか。その天候が、新宿に大きく口を開けた魔界との連絡通路から立ち上がる瘴気によるものであることは、いまや周知の事実であった。繰り返される襲撃と、終わりの見えない悪夢に苛まれた人々の顔に浮かぶ表情は、喩え様も無く暗かった。
「まあ、だからこそだよね。僕たちの力が必要とされるのもさ」 制服を確りと纏った少年少女。その一人が、集団の先頭を行く正装の男に声をかけた。残る少年少女も力強く頷く。 「勿論悪魔との戦いも確りこなす。だが俺達には、それ以外にもできることがある。ただし、両方確りこなせないと試験は落第だかんな」 楽しそうに、しかしやや嫌味に口元を吊り上げながら、大型トラックの荷台に男は跳び乗る。そこにはピアノ、スピーカーアンプと椅子が備え付けられており、さながら簡易ステージの体を成していた。鍵盤を開き、優雅な仕草でそれを一撫でした。目を閉じたまま流れるように紡ぎだされる旋律。続いて飛び乗った少年も、抱いた小ぶりのハープの弦を同じように掻き鳴らす。それに被さるヴァイオリンの音色とソプラノボイス。互いの耳に聞こえてくる音には微塵の狂いも無い。四人が笑みを浮かべたその顔を見合わせた。 「もう一度言うぞ。これはただのチャリティコンサートじゃない。お前達にとっては試験であると同時に実戦だと思え。俺の演奏についてこれなかったら、蹴り飛ばして置いていくからな」 剣呑な笑みは教え子達の腕前を信じているが故に浮かぶのだろう。 「りょーかい。今度は僕も腕を上げてるんだし、満点で合格してやるから」 その言葉に応えるように、それぞれの顔にも不敵な笑みが浮かぶ。 「期待させてもらうぜ……それじゃあ、一丁派手にやってやるか!」 それを確認して、男は大きく鍵盤を叩いた。紡ぎだされる旋律は、互いのメロディと重なり、やがて一つの音楽となっていく。それは、悪魔に己が位置を知らせるような愚かな行為であるのだが、同時に、人々の心に希望の明かりを灯す為の戦い、その序曲でもあった。
背後の妄想4
「いやー、今日は晴れてよかったねえ。絶好のデート日和じゃない?」
弾んだ声が治安も良い通りに響き渡る。釣られたように声の主へと視線を転じた人々の目には、所謂ゴシックロリータ、豪奢な純白と漆黒が組み合わされた衣装の少女が付き従っているのが見える。その表情は、喜色満面といった少年とは裏腹に苦渋の色に染まっていたのが、少年の言う通りだとすれば不自然だったのだが。 「雷雨にでもなればよかったんです。もしくは大風とか」 紫色のルージュに縁取られた唇から漏れる怨嗟の呟きは、少女の端正な顔立ちから想像するにしても些か低い。その瞳は、まるで睨み付けるように、ある種の憎悪を込めて歪められている。艶やかに化粧が施されているだけに鬼気迫る凄みがあった。 「そんな顔しちゃ折角の美人が台無しだよ、スマーィル!」 「……何という屈辱。この借りは、必ず返させて貰います」 「お、それって次のデートのお誘い? いいよ、大歓迎」 少女の眼差しをものともせずに笑みを浮かべてその手を引く少年。それを振り払わず屈辱に頬を染めながら後に従っていく少女の姿を見れば、たとえその顔にどんな表情が浮かんでいようと、傍目には仲のいいカップルに見えるのだろう。敢えてその二人の間を詰問しようとする者もいなかった。
背後の妄想3
相変わらず新宿御苑は鬱蒼とした緑に覆われていた。生臭い異臭は近くから漂ってこないのだけは、唯一の救いだろうか。時折強い風が緑の木々を鳴らして去っていく。その音に、砂嵐が混じった。
「あれあれ、また森に生徒でも迷い込んじゃった? お疲れ様」 暢気そうな声が響く。声の主に向けられる視線は、鋭い。 「ああ。尤も困った事に、そいつは自分の意思で森に迷い込んじゃったんだよ」 内心の感情は押さえつけて、平然とした声色で答える。視線の先、中空に浮いた少年は、かつての面影を残していた。唯一つ、猫にも似た金色の虹彩を除いて。 「だったら放っておけばいいんじゃない? それが、そいつの願いなんでしょう? 目的が何かまでは知らないけどさ」 まるで他人事のように紡がれる言葉に、男は歯噛みする。 「いや……放っておけないな。置けるわけ、無いだろう」 「なんで?」 互いの視線が雑音の下で交錯する。重苦しい沈黙は、砂嵐に掻き流された。 「本当は、お前はそんなことを望んでないからだ、タツミ!」 毅然とした声が森に響く。暫くの後、帰って来たのは嘲笑だった。 「なんでそんなことが解るのさ? 僕は、もっと強くなりたかっただけなんだよ?」 「その強さを、何の為に求めたんだ? 周りの誰かも、お前自身も誤魔化しきれないのはわかってるだろうが……」 まるで説いて聞かせるような言葉は、森の静寂と砂嵐の狭間に消えていく。少年の表情が、憎悪にも似た感情に歪む。 「どれだけ偉そうな事を言っても、力で劣っていちゃ説得力ないよ」 泣き女の悲鳴にも似た甲高い音がそれを裂く。色も持たない、ただ光線の歪みが、少年の体から生えた二本の透明な腕を浮き上がらせる。音という物理現象にもかかわらず視認できるその腕は、触れるだけで人の骨格程度なら粉砕しうる暴力的な圧力を伴っている。だが……男の視線には、怯えも躊躇いも無かった。 「だったら、教えてやる。お前が捨てたものが、どれだけの力を持っているのかを……」 不意に手の内に浮き上がる剣を、確りと握り締める男の表情は、全く変化を見せていなかった。それが、逆に不自然なほどに。対照的に、少年は邪悪な笑みを満面に浮かべる。 「なら……それを見せてよ、約束どおりさ!!」 音の腕が巨木を、草を、空気を、音速で横薙ぎに薙いでいく。 打ち砕いた!! そう思った瞬間、視線の先に何の残骸も残っていないことに気づいて、狼狽したように視線をめぐらせた。 「ああ、見せてやるよ……約束だからな」 声の響く方向、中天へと視線をめぐらせた少年の瞳に移るのは、満月を背に浮かぶ漆黒の翼だった。
背後の妄想2
「これ面白いねー、吸血鬼の奴。隊長格好いいよな、隊長!」
「でしょでしょ。この侍の漫画もおもしろかったよ。やっぱり伊×藤だよね」 「いやいや、権×藤でしょ」 えらく汚れた部屋で漫画の本を片手に喧々囂々と遣り合っている少年少女。 随分と楽しそうなことで。 | カレンダー
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the deamon in jintengchensi
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好事家
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PBW
自己紹介:
変なゲームを作るのが趣味の人です。
変な方向に広く浅い知識の持ち主だよ。 画像は外の皮。 ブログ内検索
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